Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
腫瘍の非侵襲治療法として,強力集束超音波による治療法が注目されている.しかし,頭蓋骨に覆われている脳腫瘍や,体内深部に存在する肝腫瘍などについては,超音波の反射や屈折,減衰といった影響が大きくなり,治療目的部位に対して超音波エネルギーが十分到達できないため,一部の臓器に対しては超音波治療の適用は難しいとされている.そこで,本研究では集束超音波に加えて,現在超音波診断の際に血管造影剤として用いられている微小気泡を発熱体として利用することで,患部での発熱作用を増強するといった手法の実現を目指している.本研究においては,その手法の実現に向け,強力集束超音波照射時における微小気泡の発熱作用に着目し,in vitro及びin vivo実験を実施した. In vitro実験では,微小気泡を含む水に対して集束超音波を照射した際の温度上昇の測定を行い,実際の超音波治療で使用される範囲でのボイド率及び超音波強度において,微小気泡の注入によって発熱作用が増強されることを示した.さらに,温度測定と同期して,集束超音波照射における気泡の挙動のカメラ撮影をし,測定した温度上昇と気泡挙動との比較を行い,その相関について示した. In vivo実験では,微小気泡による発熱増強効果について検証した。まず,造影剤気泡の注入による温度上昇及び加熱凝固の増強効果について確認し,体組織内においても微小気泡が発熱に寄与することが示された.次に,ボイド率の増加に伴う加熱凝固領域の変化について,in vitro実験のときと同様の傾向が示されることを確認した.さらに,加熱凝固治療に適した微小気泡の開発を目指して,気泡内部気体に着目した実験を行い,空気気泡と比べ,アルゴンのような比熱比の高い気体を有する気泡が熱源としてより有効に作用する可能性について示した.
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