Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
Zeeman効果を利用した局所計測法を強磁場環境を有するTRIAM-1Mトカマクに対して適用した.これまでの研究で,直線偏光素子によりZeeman分裂した発光スペクトルのσ成分を選択的に計測し,スペクトル形状から本手法の原理を実証する結果を得ている.周辺領域に存在する原子に関しては,発光位置及び流速分布の計測を行い,最外殻磁気面とプラズマ対向壁との間のギャップ長の変化に伴うリサイクリングフラックスの変化に関して評価を行っている.本年度は,リミター近傍に存在する水素分子に対して本手法を適用し,分子線の発光位置及び振動回転温度の計測を行った. 真空容器上部から挿入したモリブデン製の可動リミターを見込む観測視線を利用して,リミター表面近傍からの水素分子Fulcher-α帯Q枝発光スペクトル(d^3II_u→a^3Σ_g^+)を計測した.摂動計算コードを作成し,二原子分子の発光スペクトルへのZeeman効果を評価することで,発光位置における磁場強度を正確に評価することが可能となり,高い空間分解能で発光位置を推定することが可能となっている.分子線の発光位置は,磁気軸の近傍,プラズマからの熱負荷が集中するホットスポットの周辺に存在していることが確認された.さらに,コロナ平衡モデルを仮定し,水素分子振動回転温度の計測を行った.8.2GHzLHCD放電時に,電子密度の増加に伴う回転温度の上昇(T_<rot>,x=700→900K)が観測された.計測を行った放電条件では,境界層における電子密度が低く(n_e<10^<18>m^<-3>)電子衝突による回転励起過程が無視できる.このため,回転温度は,回転・並進間での緩和過程により,並進温度を反映していると考えられる.すなわち,回転温度の上昇は,電子密度の増加に伴う壁温度の上昇を示唆していると考えられる.これらの結果から,本手法を用いて回転温度の時間変化を計測することにより,プラズマ対抗壁表面の局所温度変化をモニタすることも可能となると期待される.
|