代数多様体上の連接層の導来圏から見る極小モデル理論
Project/Area Number |
04J11452
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
戸田 幸伸 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 導来圏 / 安定性条件 / 極小モデル / ミラー対称性 / 安定性 |
Research Abstract |
本年度の研究成果として、まず新しい連接層の導来圏の自己同値のクラスを発見したことが挙げられる。従来までに良く知られた自己同値のクラスとして「球面捻り」と呼ばれるものが存在することは知られていた。これはミラー対称性の下で、ラグランジアン球面に関するデーン捻りに対応するものである。私はこの概念をより一般化したある導来圏の自己同値が存在することを発見し、「一般球面捻り」としてその自己同値のクラスを定式化した。この一般化は次の状況を含んでいる。3次元代数多様体上の(0,-2)-曲線に関するフロップによって導来圏の同値になることは知られていたが、この操作を2回繰り返すことで導来圏の自己同値が得られる。この自己同値は従来の球面捻りの言葉で記述することは出来ないが、私が考案した一般球面捻りの枠組みには収まるものである。私はさらにこの一般球面捻りとHuybrecths, ThomasによるP-捻りの変形との関係を確立し、論文「On a certain generalization of spherical twists」にまとめた。 次に私は前年度の論文「Stability conditions and crepant small resolutions」の更に一般的な状況である、3次元カラビヤウファイバー空間に対する安定性条件に関する研究を行った。3次元カラビヤウファイバー空間とは曲線状のK3ファイバー空間、Abelianファイバー空間、或いは曲面上の楕円ファイバー空間を意味する。私はまず楕円ファイバー空間の場合には、それから定まる三角圏の安定性条件と、川又雄二郎氏によるmotable coneとの関係を明らかにした。他の場合には、それらから定まる三角圏の安定性条件と特殊ファイバーの導来圏の安定性条件を比較した。更にここで用いた議論を使って、3次元孤立cA型特異点から定まる三角圏の安定性条件のより詳細な記述、更にその三角圏の自己同値群を決定することに成功した。これを記述する際に、上記の一般球面ひねりが必要になる。私は以上の成果を論文「Stability conditions and Calabi-Yau fibrations」にまとめた。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)