GnRH情報伝達系の多様な生理機能-生殖腺における役割とその進化的意義-
Project/Area Number |
04J11570
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Morphology/Structure
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
池本 忠弘 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | GnRH / 脳下垂体 / 生殖腺 / 生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン / 脊椎動物 / 脊索動物 / 比較生物学 / 進化 |
Research Abstract |
生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は、脳下垂体に作用して生殖腺刺激ホルモンの放出を促進することにより、脊椎動物の生殖活動を支える情報伝達系において中心的な役割を担っている。本研究は、まずGnRH情報伝達系の分子的基盤であるGnRHとその受容体の遺伝子数が動物種問で大きく異なることを明らかにし、受容体の組織分布は動物種間で異なるものの、生殖腺における受容体の発現が脊索動物門で普遍的に見られる事象であることを明らかにした。そして有羊膜類の進化の過程でGnRH情報伝達系の分子多様性が失われつつあるものの、GnRHとその受容体の遺伝子の多重性が脊索動物門で普遍的に見られる事象であることが明らかになった。また受容体遺伝子の選択的スプライシングが検出され、遺伝子の多重性に加え多様な発現制御によりGnRH情報伝達系の分子多様性が更に増加することが示唆された。更に生殖腺における複数の受容体分子種の共発現が示され、受容体情報伝達系間でのクロストーク機構の存在や、GnRHとその受容体の組合せにより細胞応答が制御されることが直接示された。GnRHとその受容体の遺伝子の多重性は、リガンドと受容体または受容体サブタイプ間の組合せの多様性を産み出し、複雑な細胞応答の実現に寄与しているものと考えられる。 本研究では、複数の動物種を対象とした比較生物学的解析により、GnRHの生理的役割が動物種ごとに大きく異なり得ることが示された。またGnRHの生理作用の普遍性と種特異性に関して、特定の動物種での結果のみから結論付けることは不適当であり、更なる比較生物学的解析が肝要であることが示された。Gl1RHは、脳下垂体を介して間接的に生殖腺に作用するとともに、生殖腺での受容体を介して直接的にも作用し得ることから、各動物穂の生殖戦略に大きく影響を及ぼしてきたことが考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)