Project/Area Number |
04J11663
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松脇 貴志 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ストレス / グルココルチコイド / 生殖機能 / LHパルス / プロスタグランジン類 / 黄体形成ホルモン(LH) / サージ / 排卵 / パルス |
Research Abstract |
【目的】 従来、グルココルチコイド(GC)はストレス時に増加して生殖機能を抑制すると考えられてきた。しかし、我々は腫瘍壊死因子-αによる性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)パルスジェネレーター活性や黄体形成ホルモン(LH)分泌の抑制を、GCが緩和することを見出した。本研究では、GCの生殖機能維持作用のストレス特異性、およびその作用機序を明らかにすることを目的とした。 【方法】 実験には卵巣摘出(OVX)あるいは卵巣/副腎摘出(OVX/ADX)ラットを用い、OVX/ADXラットにはさらにコルチコステロン(CS)あるいはプロスタグランジン(PG)合成阻害剤(インドメタシン)投与群を設けた。感染、飢餓、および拘束ストレスとして、それぞれリボ多糖、2-デオキシグルコースの投与、および1時間の緊縛を行い、パルス状LH分泌ならびに脳内のPG合成酵素(COX-2)の発現に対する影響を検討した。 【結果・考察】 全ストレスに共通して、OVXラットよりもOVX/ADXラットにおいてLHパルスが顕著に抑制された。この抑制はCS投与あるいはインドメタシン投与により解除され、LHパルスは回復した。また、いずれのストレスによっても脳内でCOX-2の発現が見られ、COX-2陽性細胞数はADXにより増加し、CSにより減少した。以上より、PGが各ストレスに共通の仲介物質として生殖機能を低下させること、またGCはPG合成を抑制することにより生殖機能を維持していることが示唆された。 以上のように、我々はストレス条件下での生殖機能維持機構におけるグルココルチコイドの役割について、一定の知見を得ることができた。我々は引き続き、複数のサブタイプのうち生殖機能抑制能を持つプロスタグランジンの同定や、生殖機能保護作用を仲介するグルココルチコイド受容体の特定を目的として研究を進めている。 脳内で生物活性をもつ数種類のプロスタグランジンサブタイプの脳室内投与を行い、その際のLHパルスや、視床下部MUA(多ニューロン発射活動)記録法を用いたGnRHパルスジェネレーター活性の観察を行っている。
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