Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
グラム陰性細菌感染症に起因するエンドトキシンショックは生命を脅かす非常に重篤な症状であり,その治療薬の開発が待望されている。この症状を引き起こす原因物質であるリポ多糖を認識して,過剰な免疫応答を惹起する自然免疫系の蛋白質としてMD-2とTLR4受容体が同定されているが,リボ多糖認識およびシグナル伝達の分子機構は明らかになっていない。研究代表者は、MD-2およびTLR4蛋白質がリポ多糖を認識して免疫応答を引き起こす機構を三次元構造から明らかにするため,これらの蛋白質の大量発現系の構築、精製、性状解析、結晶化と結晶構造解析を進めた。 酵母で発現させたヒトMD-2を酵素により短鎖化した試料を用い,ネーティブ体と阻害剤lipid IVaとの複合体について正方晶系の同型の結晶を得た。ネーティブ体結晶について重原子同型置換法により,初期位相を決定し三次元構造モデルを構築した。ネーティブ体とlipid IVa複合体について,それぞれ分解能2.0Åと2.2Åまでの反射を用いて構造を精密化した。 MD-2は2つの逆平行βシートから成る単一のドメイン構造を有する。2つのβシートの間には体積約1,700Å^3の大きな疎水的なポケットが存在する。このポケット内に,ネーティブ体構造では3分子のミリスチン酸に相当する電子密度が,lipid IVa複合体ではlipid IVaの4本の脂肪酸鎖の電子密度が確認された。Lipid IVaのリン酸基とグルコサミンの部分は,ポケットの入口に存在し,MD-2との間に3本の水素結合を形成する。
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