Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,新しい手法として注目されている原位置宇宙線生成核種(Terrestrial Cosmogenic nuclide : TCN)解析法を用いて,花崗岩地域の地形形成プロセスを理解することを目的としている.TCNは地表面物質に宇宙線が照射することによって生成され,時間とともに蓄積される.TCN濃度は加速器質量分析(AMS)によってのみ定量することができる.本研究では,第一に,岩石からTCNを抽出し,AMS用に試料を処理する化学的手法や実験器具および実験室の改良・構築を行った.これにより,これまで1ヶ月要していたのに対し,2週間ほどで化学処理が行えるようになり,効率よく多くの試料を処理,測定できるようになった. 本研究では,二つの地域を対象にしてTCN解析法を応用した研究を行った.第一に,韓国花崗岩地域の岩盤斜面を対象とした.岩盤斜面に発達するシーティングジョイントに沿ってTCN濃度測定を行った.得られたTCN濃度と,シーティングジョイントの地形変化モデルから,岩盤の剥離速度を求めた.また,岩盤の露出年代値と岩盤表面の風化指標の関係も明らかにした.第二に,化石化したペディメント地形表面を対象とした.このとき,侵食面から深度方向にTCN濃度を測定し,ペディメント表面の地形プロセスをモデル化することにより,ペディメント表面の過去の(化石化する前の)侵食速度を見積もった.また,化石ペディメント表面に堆積する,後背山地から供給された礫中のTCN濃度を求めた.このTCN濃度には後背山地に存在していたときに生成された核種(inherited nuclide)が含まれており,その核種濃度から,後背山地の過去の侵食速度を見積もる試みを行った.
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