Project/Area Number |
04J12007
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡本 典子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 葉緑体 / 細胞内共生 / 植物進化 / カタブレファリス門 / Hatena arenicola / アピコンプレクサ類 / アピコプラスト / 二次共生 / 植物の進化 / 半藻半獣 |
Research Abstract |
全ての真核植物の葉緑体はシアノバクテリアを取り込んだ一次共生、またそうして生じた植物を更に取り込んだ二次共生のいずれかに由来する。細胞内共生の理解は植物進化研究の中心的課題である。本研究では二次共生の初期段階にある未記載の生物を発見し、系統および進化的視点から解析を行った。昨年度は特に系統進化学的観点から、微細構造観察と分子系統解析を行い細胞共生による植物進化仮説(Half-plant and half-predator hypothesis)を提案した。またその過程で新門カタブレファリス門を設立した。その成果は国際的に高い評価を得た。 本年度はその成果を(1)国際藻類学会第8回大会(南アフリカ共和国)・日本植物学会第69回大会にで発表し、有益な議論を行った。さらに(2)Science誌上にて論文を発表し、分野の枠を超え国内外から大きな反響を得た。また研究成果の総括として(3)本生物をカタブレファリス門の新属新種Hatena arenicolaとする記載手続きを進めている(Protist誌にて査読中)。 細胞内共生は二つの異なる生物が一つに統合される過程であり、進化細胞学的にも興味深い。その解明には様々な分子細胞学的手法が必須である。それに必要な研究基盤が現在整っているのは、二次共生由来の葉緑体を持つ生物の中ではアピコンプレクサ類のみである。アピコンプレクサ類の多くはマラリア原虫をはじめ単細胞の寄生性病原虫であるが、二次共生由来の退化した葉緑体=アピコプラストを持つことが10年前に明らかになり、創薬のターゲットとして注目されている。こうした疫学的背景から、マラリア原虫ではゲノム解読が終了し、同調培養系・遺伝子導入系が整備されている。特に、アピコプラストを発見したMcFadden博士の研究チーム(メルボルン大学)では葉緑体進化の観点から最先端の進化細胞学研究を行っている。そこで本年度の研究期間の大部分の期間は、(4)今後必要となる様々な研究手法を学ぶため同研究室において、特に葉緑体分裂の様式を解明する研究に従事した。さらに来年度からは海外特別研究員として正式に派遣されて研究を続行する予定である。
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