エピジェネティカルな遺伝子発現を制御する新規転写復合体による発癌機構の解明
Project/Area Number |
04J12024
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Research Fellow |
藤田 英俊 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 発癌機構 / DNAのメチル化 / CRE依存的な転写 / エピジェネティックス / MBD2 / RNAヘリケースA / HLHタンパク質 / 遺伝子発現制御 / CRE / 遺伝子発現 / 転写抑制 |
Research Abstract |
細胞のがん化、発生分化などの多様な生物学的応答において、DNAのメチル化を介したエピジェネティックな遺伝子発現調節機構は重要な役割を担っている。発がんにおいては、遺伝子の変異を伴わないエピジェネティックな変化が重要である。申請者はメチル化されたCREに結合する因子としてMBD2aを同定した。cAMP responsive element(CRE)は多くの癌抑制遺伝子のプロモーター上に存在し、腫瘍細胞において高度にメチル化され転写が抑制されている。一方で、CREは細胞周期促進遺伝子のプロモーター上にも存在し、がん細胞にてその転写を活性化することも報告されている。MBD2aが転写抑制複合体と相互作用してメチル化CREからの転写を抑制するだけでなく、RHAと複合体を形成し、転写活性化に機能することを示した。 本研究にてRHA/MBD2a複合体の機能解析を行なった結果、RHA/MBD2a複合体によるCRE依存的な転写の活性化を阻害する因子GCIP/DIP1を同定した。GCIPは組織特異的な転写因子であるbHLH型転写因子の抑制因子として機能するHLH型因子である。申請者は、GCIPがRHA/MBD2a複合体と競合的に作用し、CRE依存的な遺伝子発現を抑制することを見出した。さらに、CREBの標的遺伝子である細胞周期促進遺伝子のひとつであるcyclin D1の発現制御に関わることを明らかとした。以上の結果より、RHA/MBD2a複合体は転写活性化複合体として機能して、CRE依存的な転写を活性化し、一方で、HLH型因子であるGCIP/DIP1によりその機能を抑制されることが示された。したがって、RHA/MBD2複合体は、DNAのメチル化のみならず多段階の機構によって制御されている可能性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)