凍結細胞からの魚類個体の再生:新たな魚類遺伝子資源保存技術の開発
Project/Area Number |
04J12154
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Research Fellow |
小林 輝正 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 始原生殖細胞 / 凍結保存 / 移植 / ニジマス / エチレングリコール / 絶滅危惧種 / 遺伝子資源保存 / 生殖細胞 |
Research Abstract |
現在魚類では、凍結細胞から個体を再生する技術が確立されていないため、遺伝子資源を保存するには、個体を継代飼育するしか方法がない。しかし、卵と精子の両者に分化可能な始原生殖細胞をあらゆる魚種から摘出し、液体窒素中で凍結保存する「魚類始原生殖細胞バンク」を設立すれば、植物の種子バンクや哺乳類の胚バンクのように、魚類遺伝子資源を細胞として、半永久的に保存することができよう。また、凍結保存した始原生殖細胞を借り腹生産により個体に変換すれば、絶滅危惧魚種の再生も可能となる。さらに本法は、水産上有用な様々な系統の維持・保存にも応用が期待される。そこで、本研究では、「魚類始原生殖細胞バンク設立のための基礎技術の確立」を目的とした。これまでの研究では、ニジマスを用いて、魚類の始原生殖細胞を凍結保存する方法を検討した結果、エチレングリコール(1.8M)を凍結保護剤として用いて、50%以上の始原生殖細胞が生残する凍結保存方法を確立した。さらに、同法により凍結保存したニジマス始原生殖細胞を同種宿主の生殖腺へ導入し、機能的な卵を作出した。宿主より得られた凍結始原生殖細胞に由来する卵と凍結精子を受精することで、液体窒素中で保存した細胞から次世代を生産しうる正常なニジマス個体を得た。以上のように、液体窒素中に保存した資源から正常な魚類個体が得られたのは、本研究が世界で初めての報告である。今後、本研究によって確立した方法を多くの魚種に応用し、魚類の遺伝子資源の保存に貢献したいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)