β細胞型ATP感受性カリウムチャネルの延髄におけるあえぎ呼吸への寄与
Project/Area Number |
04J50112
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Akita University |
Research Fellow |
三宅 あかり 秋田大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 低酸素 / Kir6.2 / ATP感受性カリウムチャネル / 頻呼吸 / 徐呼吸 / あえぎ呼吸 / gasping / 低酸素負荷 / 無麻酔 / 麻酔下 / hypoxia / hypercapnia |
Research Abstract |
動物は強い低酸素状態や虚血時に低酸素誘発性のあえぎ呼吸を示す。あえぎ呼吸は意識を消失しても起こり、最低限の換気の確保により生命保護の役割を果たす。しかしあえぎ呼吸の発生および維持の分子機序は明らかではない。 今回断頭による急激な虚血に際して、野生型マウスは全て10回以上のあえぎ呼吸を示したのに対してATP感受性カリウム(K_<ATP>)チャネルのKir6.2サブユニットを欠失させたノックアウトマウス(KO)は、あえぎ呼吸をほとんど示さないことが判明した。一方、類似サブユニットKir6.1の欠損マウスのあえぎ呼吸は野生型と変わらなかった。 麻酔下で強い低酸素を負荷して呼吸応答を検討した結果、野生型マウスでは最初ため息(sigh)と共に呼吸活動が亢進した後(頻呼吸)、呼吸頻度が低下し(徐呼吸)、続いてあえぎ呼吸が出現し安定に持続した。これを持続性あえぎ呼吸と名づけた。更に低酸素状態が持続すると、呼吸停止の直前に、明らかに異なったパターンのあえぎ呼吸が数回出現した。このあえぎ呼吸は末期あえぎ呼吸と名づけた。 KOマウスも低酸素負荷に対して野生型に類似した応答を示したが、徐呼吸、および二種類のあえぎ呼吸ともに野生型マウスより持続時間が有意に短かった。加えて無麻酔条件下では、KOマウスの末期あえぎ呼吸は常に野生型マウスより早く開始し、4.5-7%O_2の範囲の強い低酸素環境においてあえぎ呼吸の開始時点は負荷する酸素濃度を低下させても変化しなかった。これに対して野生型マウスでは負荷酸素濃度の低下に従ってあえぎ呼吸開始時点が早くなった。 このようにKOマウスでは、低酸素の強さの程度に応じて低酸素応答を適切に調節するはずの機序が機能不全に陥っている事、およびKir6.2含有K_<ATP>チャネルは低酸素誘発性のあえぎ呼吸と徐呼吸について、その発生よりむしろ維持において決定的な役割を担っていることが示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)