Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ウエット環境下における,粉末微粒子表面と加工物表面との化学的相互作用を利用した加工プロセスであるEEM(Elastic Emission Machining)によって,ワイドバンドギャップ半導体であるSiC, GaN表面を平滑化すること,および,極限の表面精度を持つX線ミラーの作製とその評価を行うことを目的とした研究を推進している.本年度は,以下に挙げる3項目に関する研究を行った. 1.EEMにおける微粒子表面の形態が加工能率および加工表面へ及ぼす影響 微粒子を用いて各種材料表面を高能率に加工するためには,加工物表面と微粒子との接触領域を拡大させる必要がある.本年度は,微粒子数や微粒子径の選択によって加工能率の向上を図るのではなく,微粒子表面の形態に着目した加工能率の向上と表面粗さ除去に関する検討を行った.その結果,表面積の大きな微粒子の採用により,加工速度を2桁以上向上させることができることを確認し,さらに加工表面の表面粗さと微粒子表面を構成する凹凸分布に相関関係があることを見出した. 2.EEMによる4H-SiC(0001)表面の加工とその評価 4H-SiC(0001)表面の平坦化加工を実施した結果,前加工表面に存在する無数の研磨痕が完全に除去され,表面粗さが0.1nm(RMS)以下で,かつ結晶学的な原子配列に乱れのない超平滑表面を得ることができた. 3.溶液浸漬後のSi(001)表面形態の評価 ウエット環境下におけるSi(001)表面の形態変化を把握することは,EEMによって極限の精度を持つX線光学素子を作製する上で必要不可欠である.本年度は,超純水,加工液の各溶液中へ浸漬後のSi(001)表面の表面粗さ,およびエッチングに関する評価を行った.その結果,超純水中とは異なり,加工液中に浸漬後のSi(001)表面は,エッチングされにくく,表面粗さはほとんど変化していないことが明らかになった.このことから,EEMによっ,て平坦化されたSi表面が,加工液中に長時間存在しても,表面平坦性への影響は少ないことがわかった.
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