半島マレーシアにおけるメソスケールでの土地利用形態変化と土壌炭素動態
Project/Area Number |
04J54151
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Gifu University |
Research Fellow |
安立 美奈子 岐阜大学, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 熱帯林 / 炭素循環 / 土壌呼吸 / 土壌炭素動態 / 土地利用形態 |
Research Abstract |
平成16年度では、これまでの研究で得られたデータを基礎に土壌含水率をパラメーターとした4つの異なるモデル式を構築し、年間の土壌からの炭素放出量を推定した。その結果、天然林では1年間に1ヘクタールあたり16.9〜19.2トンの炭素量を、二次林では17.5〜18.5トンを、ヤシ園では14.3〜14.5トンを、ゴム園では9.0〜11.2トンの炭素量が土壌表面から放出されていることが明らかになった。天然林、二次林、ヤシ園ではモデル式の違いによって炭素放出量の推定値には大きな違いは認められなかった。 年間の炭素放出量と文献データ値に基づき、パソ地域における代表的な3つの生態系(天然林、ヤシ園、ゴム園)における土壌炭素動態について、単純なモデルであるbox modelを用いて検討を行った。2-box modelに基づいた年間の土壌有機炭素蓄積量は、1年間に1ヘクタールあたり天然林では-5.3t、ヤシ園では-2.2t、ゴム園では-2.5tとなり、いずれの生態系でもマイナスの値を示し、特に天然林では多くの炭素が土壌圏から失われていることが示唆された。一方、3-box modelを用いて推定を行うと、モデルに新たな枯死根量を示すコンパートメントが入ることによって年間の土壌有機炭素蓄積量の値が大きく変化する可能性がある。例えば他の文献を参考に、天然林における3-box modelでの土壌有機炭素蓄積量を推定した場合、年間の枯死根量は地上部リター量に匹敵し、その収支はほぼゼロとなった。枯死根量やその分解率などの土壌圏で生じている炭素動態のパラメーターはいまだ十分に把握されていないが、その重要性は明らかである。このように、高い精度での炭素動態・収支の推定には多くの問題点が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)