ヒト人工組織・臓器の構築用マテリアルを指向したゲルの機能化に関する研究
Project/Area Number |
04J54191
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer/Textile materials
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
坂口 博一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 再生医療 / ゲル / 高分子超薄膜 / 交互吸着法 / コントロールドリリース / 細胞増殖因子 |
Research Abstract |
本研究では、様々な物質を担持可能であるゲルを組織再生用マトリックスへ応用することを目的としている。アルギン酸(ALG)ゲルは膨潤度の制御や細胞の接着が困難であると言われている。昨年度、ALGゲル表面を高分子超薄膜でコートすることによって、外部環境のイオン強度の変化に対してALGゲルの安定性が向上したことを報告した。本年度は外部環境のpH変化に対するALGゲルの安定性を評価した。その結果、ナノコートALGゲルの膨潤度はpH変化の影響を受けずほとんどのpH条件下で一定の膨潤度を示した。本来イオン性ゲルは外部環境の変化に迅速に応答し膨潤挙動を制御することは困難であるが、本研究によってpHやイオン強度などの外部刺激に対する耐性を有するゲルを調製できた。 続いて、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を内包させたALGゲルの表面を天然由来高分子(キトサン(CT)とデキストラン硫酸(DEX))からなる高分子超薄膜によってコートし、VEGFの放出挙動及び、L929マウス繊維芽細胞の接着挙動について評価した。ノンコート及びナノコートALGゲルはほぼ同量のVEGFを内包しているにも関わらず、ノンコートALGゲル中のVEGFは12時間以内に全て放出されてしまったが、ナノコートALGゲルに内包されたVEGFは3日後も5%程度放出されたのみで、ゲル内に安定に保持されていることが分かった。またゲル表面への細胞接着挙動を観察した結果、ノンコートゲル表面には細胞が接着しなかったが、ナノコートゲル表面では細胞の接着が観察された。この結果から、ゲル表面を高分子超薄膜によってナノコートすることでゲル表面の細胞接着挙動を制御することができ、VEGFを数週間オーダーで徐放させることもできることが明らかになった。本手法を用いて機能化されたゲルは、人工組織・臓器の再構築用マテリアルへ応用できると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)