Project/Area Number |
04J54201
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Archaeology
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Research Institution | Nara Women's University |
Research Fellow |
宮元 香織 奈良女子大学, 人間文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 横穴式石室 / 考古学 / 葬送儀礼 / 大和 / 後期古墳 / 古墳時代 / 石棺式石室 / 刳抜玄門 / 因幡 / 伯耆 / 社会構造 |
Research Abstract |
古墳時代後期の社会構造を、横穴式石室を対象として復元することを目的に研究をおこなった。大和の横穴式石室については前年度におこなった因幡・伯耆の横穴式石室に出雲を加え、山陰地域の後期古墳時代について検討をおこなった。 さらに、石棺式石室と、石室における刳抜玄門をつかって分布の状況とその理由について考えた。刳抜玄門がみられるのは列島において山陰のほか肥後、下野、常陸、武蔵などであるが、もっとも多く分布するのは山陰と肥後・下野である。これらの地域における存在形態は、刳り抜きの入り口部は決して羨門に設置されないということと、横口式家形石棺と共存しないという2点を特徴としていた。刳抜玄門は、被葬者以外立ち入ることのできない遺体安置空間と、被葬者をとりまく人々が立ち入り、土器副葬をおこなった羨道空間とを分ける境界に置かれたものであり、それはまさに生と死とを分ける境であった。またこれらから石室構造に関しては首長の政治関係のみならず、葬送儀礼が強く反映している可能性がある。 またこれまでおこなってきた日本海側諸地域の横穴式石室について、広域的な特徴と地域的な特徴に重点をおき、博士論文『横穴式石室からみた古墳時代後半の社会-西日本諸地域と畿内を対象として-』を提出し、学位を取得した。列島に造られた横穴式石室には、広域的な特徴(畿内的な特徴)と地域的な特徴とが常に混在していた。そこには畿内を核にした石室工人集団と、地域それぞれにおいて編成された工人集団との二者を想定することができ、両者の間には一定の階層差がみられた。畿内の横穴式石室は地域のそれに対して明らかに優位性をもっており、それは畿内の工人集団を把握した首長層が新しい葬送の創出と体系化、そしてその踏襲をおこなった結果であったと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)