Project/Area Number |
04J61621
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
馬場 千紗 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Ran / RCC1 / RanGAP / RanBP2 / 染色体配向 / 核膜形成 |
Research Abstract |
RanはRasスーパーファミリータンパク質の一つである低分子量GTPaseであり、多細胞動物や酵母で広く保存されている。他のGTPaseと同様にRanにはGTP結合型(RanGTP)とGDP結合型(RanGDP)が存在し、RCC1とRanCAPによってRanのGTP結合とGDP結合が制御される。近年になって、アフリカツメガエルの卵母細胞抽出液等を用いたin vitro実験でRanが微小管重合や紡錘体形成、核膜形成を促進する機能をもつことが示された。そこで線虫C.elegansの初期胚においてRNAiを用い、in vivoでのRanやRan活性制御因子の機能を検討した。まずNLS'を有するタンパク質の核への局在がRan、RCC1およびRanGAPそれぞれのRNAiによる欠失体で消失し、Ranおよびその活性制御因子がタンパク質の核内輸送に機能することを見い出した。次にRan、RCC1およびRanGAPのRNAi初期胚で、紡錘糸上での染色体の配向が著しく異常になることを見い出した。また野生型胚で、Ranが核膜崩壊後中期から後期にかけて姉妹染色体の動原体に局在することを見い出した。これらの結果からRanが紡錘体と動原体の相互作用に関与し染色体の正常な配向に必要であることが示された。またRanのRNAi初期胚で核膜形成が正常に起こらないこと、また野生型胚でRanが間期において核膜に局在し、終期において核膜へ再局在することを示し、RanがM期終期における核膜再形成に必要であることが示された。Ranの下流因子として、RanGTPと結合するRanBD(Ran Binding Domain)をもつ一連のRanBPs(Ran Binding Proteins)が存在することが知られており、線虫においてはnucleoporinでもあるRanBP2が存在する。線虫RanBP2のM期における機能についても解析を行い、RanBP2のRNAi胚でRan RNAi胚と同様の表現型が観察された。これらの結果から、RanBP2がRanの下流因子として染色体の配向、核膜形成に機能することが示された。
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