概日リズムと細胞周期および細胞増殖、細胞がん化との関連
Project/Area Number |
04J61622
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
土谷 佳樹 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 概日リズム / 時計遺伝子 / 末梢時計 / 同調因子 / 位相変化 / 哺乳類 / PGE_2 / SCN |
Research Abstract |
哺乳類において概日リズム中枢であるSCNは何らかの神経経路や分泌因子を介して全身の末梢時計を同調させていると考えられているが、その実体は長年の間不明であった。最近の研究によって概日リズムをリセットできる内因性因子がいくつか報告され、生体内における末梢時計の同調因子候補として注目を集めている。本研究で私は新たにPGE_2が概日リズムをリセットできることを見出した。PGE_2は生体内に存在し、体温上昇や炎症促進など様々な作用を持つことが知られている生理活性物質の一つである。私はまず、NIH3T3細胞をPGE_2で処理することでmPer1の一過性の発現誘導が起こり、時計遺伝子発現の概日リズムが誘起されることを見出した。さらにマウスの腹腔内にPGE_2を投与することで肝臓、腎臓、心臓などの末梢組織において時計遺伝子発現の概日リズムが位相変化を起こすことを見出した。この位相変化はPGE_2受容体のサブタイプのうちEP1およびEP3のアゴニストであるSulprostoneによっても引き起こされたが、EP2のアゴニストであるButaprostでは効果が無かった。またEP1のアンタゴニストであるSC-51322の存在下ではPGE_2による位相変化は観察されなかった。これらのことから、PGE_2は生体内においてEP1受容体を介して末梢組織の概日リズムをリセットしていることが示唆された。末梢組織の概日リズムはPGE_2の投与時刻依存的に位相変化したが、マウスの行動リズムには顕著な位相変化が観察されなかったことから、PGE_2は概日リズム中枢に作用すると言うよりは、むしろ中枢から末梢への同調シグナルとして働いている可能性が高いと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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