Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では、パスウェイがどのような基本原理に従って構成されているのかを明らかにすることを目的としている. 代謝反応パスウェイ中の各反応には複数の基質,生成物が関わってくるために,その構造は分岐を伴う非常に複雑なネットワークを形成している,しかし実際には,パスウェイは反応の種類によって解糖系などの代謝マップごとに分類され,整理されている.それらはネットワークの基本構成単位であると考えられるが,進化の過程で実際にどのような原理でそれらが構成され,パスウェイ全体を作り上げているかは明確には解明されていない. 従来,代謝マップはバクテリアから真核生物まで広く保存されているものと考えられていた.しかし,例えば代謝のうち最も中心的な部分を占める解糖系等であっても,生物種によっては全く異なる酵素・反応経路が使用されていることが報告されている.そして,それぞれの経路ごとに,それを持つ生物種の組み合わせが異なっている.ある遺伝子またはタンパク質の生物種間での分布パターンの類似性は,その進化的・機能的な関連性を反映しているとされており,これがサブネットワーク抽出のための一つの基準となるものと考えられる. そこで本研究では,系統プロファイルを利用した,代謝ネットワークからのサブネットワーク抽出手法を提案する.系統プロファイルとは,タンパク質の生物種間の分布パターン,すなわち,オーソログの生物種ごとの有無を1と0のビット列で表現したものである.本手法では,ネットワーク中で隣接した反応間の距離を,系統プロファイルの類似度に基づいて定義し,類似度の閾値を設定することで,系統プロファイルの類似した酵素反応から成るサブネットワークを網羅的に抽出する.本手法を代謝反応データベースKEGGに適用し,進化的に保存されている機能単位と考えられるいくつかのサブネットワークが抽出可能であることを確かめた.
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