Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
昨年に引き続き大阪大学医学部附属病院の老年・高血圧内科受診中または入院中の患者で文書によるインフォームドコンセントを得た者を対象とし累計800名の高血圧患者に対する非侵襲的動脈硬化検査を施行した。ミレニアムプロジェクト高血圧部会の推進するタイピングセンターへの検体提供の同意も合わせて得た。検体収集後研究計画に詳細を記載した各物質のSNPsの検索を行い、DNAタイピングにはMGBプローブを用いたTaqMan PCRを用い、同時に採取された血液やRNAを用いて血中蛋白レベルおよび同時に抽出したRNAのexpression profilingやチップを用いたサブトラクション解析を実施し、トランスクリプトームレベルでの動脈硬化促進因子検索を引き続き行う予定である。また、本態性高血圧患者における心血管疾患合併症と血中IL-15濃度との関連を明らかにするため,臨床的研究を行った。上記800名のうち399人の本態性高血圧患者を対象とし,1999年のWHO/ISH分類に基づき以下の3群(合併症のない群:n=236名,軽度合併症を持つ群:n=112名,重度合併症を持つ群:n=51名)に分けた。各患者の血中IL-15濃度を測定した。重度合併症群のIL-15濃度は有意に軽度合併症群(p<0.01),合併症のない群(p<0.05)よりも高値であった。また冠動脈疾患,閉塞性動脈硬化症,ラクナ梗塞を有する患者は,有しない患者に比べて有意にIL-15濃度が高値であった。多変量解析を用いた検討でも血中IL-15濃度は心血管疾患との独立した関連を認めた。これらの結果より,血中IL-15濃度は本態性高血圧患者において,心血管疾患発生の原因となる可能性が示唆された。この結果に関しては、American Journal of Hypertension掲載予定(in press)である。
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