細胞性粘菌を用いた配偶子間相互作用に関わる遺伝子ネットワークの解析
Project/Area Number |
04J61637
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
基礎ゲノム科学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Research Fellow |
村本 哲哉 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 細胞性粘菌 / 配偶子間相互作用 / 網羅的機能解析 / 配偶子特異的遺伝子 / 遺伝子破壊 / RNAi |
Research Abstract |
雌雄の配偶子が融合する受精は、有性生殖の中心的なイベントであり、その分子メカニズムを理解することは、基礎生物学的・応用的に極めて重要である。そこで本研究では、これまでに同定した細胞性粘菌配偶子特異的遺伝子リスト24遺伝子について、RNAi法や遺伝子破壊法を用いて配偶子間相互作用への影響を調べ、これに関連する遺伝子の同定を試みた。現在までに、20遺伝子のRNAi株、16遺伝子の遺伝子破壊株の単離に成功している。その詳細な機能解析により、異なる交配型同士の性的細胞融合能に関わる遺伝子や増殖に関わる遺伝子、有性発生に必須な細胞集合で働く遺伝子をいくつか同定した。本研究により単離したtmcB破壊株は、性的細胞融合には関与するものではなかったが、その後の有性発生における細胞集合過程で形態異常を引き起こすことがわかった。細胞性粘菌の細胞集合では無性発生、有性発生いずれもcAMPが中心的な役割を果たしているが、それを分解するphosphodiesteraseの遺伝子発現がtmcB破壊株では、異常になっている結果を得た。この制御機構は、有性発生特異的なもので、無性発生においてはtmcBによるphosphodiesterase遺伝子の制御は行われていなかった。このように、配偶子で有性発生制御に必要な遺伝子を発現させておくことで、接合子を形成し有性発生を行う段階で他の遺伝子を制御するという有性発生の分子メカニズムの一端を明らかにすることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)