Project/Area Number |
04J61642
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied genomics
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
上野 剛 北里大学, 基礎生命科学研究科・特別研究員 DC2
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | プロテオミクス / 酸化傷害 / 二次元電気泳動 / 蛍光検出 / タンパク質 |
Research Abstract |
生体内に存在する活性酸素種(ROS)は、核酸や脂肪、タンパク質などに非生理的な修飾を引き起こし、ガンをはじめ糖尿病といった生活習慣病に至るまで様々な病気に関与している。なかでも、ROSにより傷害を受けたタンパク質は酸化傷害タンパク質と呼ばれ、リジン側鎖末端などのアミノ基が傷害を受けることでアルデヒド基(プロテインカルボニル)が生じている。 本研究では、蛍光色素ヒドラジン試薬であるFluorescence-hydrazide(FHZ)と2次元電気泳動(2-DE)法を組み合わせることで、生体組織中に蓄積した酸化傷害タンパク質を網羅的に検出・定量解析する方法の開発を行った。 これまでの方法では、タンパク質試料中に含まれるプロテインカルボニルをBiotin-hydrazide(BHZ)と反応させ、アガロース2-DEで分離し、ゲル上のタンパク質をPVDF膜へ転写した後、PVDF膜上で酸化傷害タンパク質の検出を行っていた。しかしBHZを用いた方法では、(1)2試料中に含まれるプロテインカルボニルを区別できない(2)PVDF膜への転写が必要であるといった定量的比較解析には不利な点がある。そこで、本研究ではBHZの代わりにFHZを用い酸化傷害タンパク質の検出を行った。その結果、(1)2種類の試料に含まれるプロテインカルボニルを2種類のFHZを用いることで別々に標識することが可能となり、(2)PVDF膜への転写を行うことなく1枚のゲル中で各FHZ固有の蛍光を直接検出し、2種類の組織に含まれるプロテインカルボニルの量比を個々のタンパク質スポットとして定量比較できるようになった。さらに、本法を実際の糖尿病モデルラットの組織へ応用し解析を行った結果、数種類の臓器において、糖尿病特異的に蓄積量が増加している酸化傷害タンパク質を確認することができた。 本法は、機能プロテオーム解析へ向けた新たな研究手法であると考え、現在、学術雑誌への投稿準備中である。
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