流動場およびメゾフェーズを経由する高分子結晶化機構
Project/Area Number |
04J72804
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer/Textile materials
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
河井 貴彦 京都大学, 化学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 結晶性高分子 / 結晶化 / メゾフェーズ / 流動場 / X線散乱 / 光散乱 / 偏向光学顕微鏡 / 密度測定 |
Research Abstract |
高分子結晶化の研究は非常に長い歴史を持ちながら、未だ万人が納得する結晶化理論は確立されていない。近年全く新しい概念である、結晶核形成以前に何らかの高密度構造が形成されるという結晶化モデルが提案され、高分子結晶化の研究は新たな局面を迎えている。本研究ではいくつかの汎用性高分子を用いて新規モデルを実験的および理論的に実証し、発展させることを目的とした。また、工業的にも重要である流動場における結晶化機構についてもシシケバブ構造の形成メカニズムの理解を目的に実験を行った。 高分子融液からの等温結晶化過程を小角及び広角X線散乱、光散乱、光学顕微鏡等を用いて追跡した。偏光光学顕微鏡からは球晶構造の発展以前に弱いコントラストを有する構造体が試料全面にわたって形成される様子が観察された。この構造体は広角X線回折実験からは観察されないことから、結晶ではない中間相的な構造であることが確かめられた。この事実は中間相を経由する結晶化理論を実験的に実証したものである。 また流動場における高分子の結晶化機構については高分子量成分を微量添加することにより結晶化の促進効果を得ることができた。このことは流動場で高分子量成分を選択的に配向させることで、結晶核となるシシ構造の形成を促進させ得ることを示している。高分子量成分の濃度依存性についても実験を行い、高分子量成分の臨界絡み合い濃度近傍で全体結晶化速度の大幅な上昇が観察されたことから、高分子融液中の高分子量成分のからみあいがシシ構造の形成と深く関係していることを実証した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)