直立葉イネの密植増収効果の検証及びイネ農業重要形質を支配するQTLの同定・単離
Project/Area Number |
04J84404
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Breeding science
|
Research Institution | Nagoya University |
Research Fellow |
森中 洋一 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | イネ / 草型 / 収量 / 弱性 / 野生稲 |
Research Abstract |
ブラシノステロイド(BR)受容体遺伝子の育種的利用 BR受容体遺伝子の変異体d61は,生殖器官への作用(小粒化・稔性低下)の強さが直立葉のメリットを相殺し,収量増加に至らなかった.しかしながら,乾物重の推移など圃場試験データを詳細に検討した結果,密植条件下においては直立葉化に伴う光利用効率向上によるものと思われる同化能向上あるいは生育後期の同化能低下の抑制傾向を認めることができた.これは,直立葉のみを示す作用力の弱いアリルの密植栽培による増収の可能性を示唆している.BR受容体のカイネースドメインのみを強発現させ内生BR受容体遺伝子の発現を抑制させると直立葉を示しながら穂や粒形は正常な固体が得られる.これらの後代固定系統の閉鎖系温室における栽培試験の結果,一株当たり収量は非組み換えイネと同等以上であることが明らかになった.先の変異体の圃場試験において密職条件下で認められた同化能の差異が直立葉化のみでもたらされるものと仮定して直立葉形質転換イネの圃場における生産性を試算したところ,3倍密度で栽培した場合に同条件下の原品種より26〜30%の増収が推定された. イントログレッションラインの解析 少けつ,矮性(弱性)が分離した日本稲とインド稲ないし野生稲とのイントログレッションライン6系統について,分子マーカーにより大まかに推定した関与領域がヘテロの個体の次代を展開した.表現型が3:1の分離を示した系統のうち1系統について高密度マッピングを実施し,第2染色体上の11.9kbまで関与領域を狭めることができた.弱性表現型はこの領域がO.nivara型に固定された個体で観察されるが,両親いずれにも見られない表現型であることから複数因子の関与が推察される.この弱性表現型の発現機構の解明には今後,この第2染色体上の領域がnivara型で固定し,弱性個体が分離する系統を解析する必要がある.
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)