Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1.日本の再軍備の基礎研究のため,基本的な文献(防衛問題資料,占領史、再軍備関係の新聞切り抜きなど)を収集・整理するとともに,1950年から55年の時期の米国家安全保障会議(NSC),国務省,統合参謀本部(JCS)などの対日政策についての英文資料収集・整理にあたった。これによって,平成6年度に予定している安保改定期研究の基礎を作った。 2.警察予備隊,保安隊,自衛隊の発足・発展にあたって重要な役割を果たした海原治氏(保安庁発足時の保安課長,自衛隊発足時の防衛課長,その後,防衛庁官房長,防衛局長などの要職を歴任)から,1950年7月の警察予備隊発足に始まる初期の再軍備過程について,3回(延べ約9時間)にわたり,詳細な証言を得た。再軍備研究の発展に資するため,この証言を裏付ける海原氏提供の資料とともに印刷準備中である。 3.この研究を背景に,米国の東アジア戦略の特質を分析した論文「米東アジア戦略の変容と日本の安全保障」『政教紀要第18号』(国士舘大,1994年1月,1〜27頁)を執筆した。本論文は現代の米戦略に焦点をあてたものであるが,50年代の米戦略についての認識が本論文の基礎となっている。 4.また,阪中が指導している青山学院大大学院生植村秀樹(一貫制博士課程)は,本研究で収集した資料の一部を使用して,「池田=ロバートソン会談と防衛力増強問題」『国際政治』105号<1950年代の国際政治>(日本国際政治学会,1994年1月,182〜196頁)と題した論文を執筆した。新研究者の教育に有益であった。
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