含水物質に対する高温高圧下での地震波速度変化の測定
Project/Area Number |
05231226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka College |
Principal Investigator |
伊東 和彦 大阪短期大学, 講師 (40232433)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | 沈み込み帯 / 弾性波速度 / スラブ / マントルウェジ / ペリドタイト / アンフィボール・ペリドタイト / アンフィボライト / グラニュライト |
Research Abstract |
沈み込み帯火山フロント直下のスラブ上面付近には、地震学的に推定されている地震波低速度層が存在する。一方,スラブ上面のマントルウェッジには,スラブから付加した水によってできる含水層の存在が予想されている。この含水層と地震波低速度層との対応関係を調べるためには,マントルウェッジの物質としてはペリドタイト,含水層の物質としてはこのペリドタイトに水が付加してできたアンフィボール・ペリドタイトの両者を伝わる弾性波速度の比較が必要である。とりあえず,今回はモデル物質としてグラニュライトおよびこのグラニュライトに水が付加してできたことがわかっているアンフィボライトを用い,これら両者の弾性波速度を,1GPaの圧力で,850℃までの測定をおこなった。その結果,両者の弾性波速度は温度とともにほぼ直線的に減少し、また両者のP波,S波の比較ではともに顕著な速度差がみられた。例えば,700℃でのそれぞれの速度は、グラニュライトでP波が7.75km/s,S波が4.37km/s,アンフィボライトでP波が7.40km/s波が4.21km/sであり、グラニュライトに対するアンフィボライトの速度低下の割合は,P波,S波ともに約4%程度である。この結果からの類推によって,マントルウェッジのペリドタイトがスラブから付加した水によって含水層となり,そのために数%程度の低速度層を形成している可能性が十分考えられることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
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