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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
今日,合成化学において有用である有機電極反応をさらに発展させる触媒機能性電極の開発をめざし,金属固定化機能を持つ導電性高分子のモノマー合成および金属を固定した導電性高分子被覆電極の新規作製とその特性の検討を行った結果,以下の知見を得た. 1.ピロール環のN位に,エタノール,ペンタノール,ウンデカノールなどの直鎖アルコール類,メチルペンチルエーテル,エチルエタノールエーテル,ペンチル2-フェノールエーテルなどのエーテル類,ヘキサン酸,ペンチルスルホン酸,ペンタチオール,アミノペンタンなど種々の官能基を置換したモノマーを合成した. 2.合成された各モノマーの電解酸化重合反応によって薄膜をグラッシーカーボン電極上に比較的容易に形成できた.新規の高分子被覆膜中にパラジウム,白金,ルテニウムなどの遷移金属類が微粒子状で固定されることを電気量測定と走査電子顕微鏡観察から確認できた.しかし,ウンデカノール,ペンチル2-フェノールエーテルなど相対的に疎水性である高分子被覆膜においては,金属の固定量は低下した.また,これらの金属固定化電極は,水素発生に基づく還元電流が観測され,不飽和結合の水素化反応に適用できることを示唆した.さらに,これらの導電性高分子被覆電極についての耐久性試験からとくに,アルコール類やカルボン酸類が置換された電極は機能を失わずに長時間にわたって安定であった. 以上の結果から,本研究で新しく開発された金属固定化導電性高分子被覆電極は,実際の有機合成反応へ適用できることが期待できる.現在,不飽和有機化合物の水素化反応への導入について基礎的検討を行なっている.
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