Project/Area Number |
05243211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
遠山 満 杏林大学, 医学部, 助教授 (30183875)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1993: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 原子核理論 / 不安定原子核 / 巨大共鳴 / 原子核反応 / 核融合反応 |
Research Abstract |
時間に依存するハートリー・フォック理論(TDHF)およびTDHFを拡張した時間に依存する密度行列理論(TDDM)を用いて、中性子過剰核の巨大共鳴と低エネルギー重イオン反応の研究を行った。安定な原子核と比べ、どのような著しい特徴があるかを調べることが研究の目的であった。巨大共鳴については、比較的計算の容易な^<22>Oなどの酸素の同位体を対象に、E1およびE2モードを調べた。中性子過剰核の特徴の一つは、緩く束縛された中性子が存在することであるが、このためにE1およびE2モードに振動数の低い中性子モードが現われることが、TDHF計算によって明らかにされた。巨大共鳴は複雑な状態と結合して崩壊するのであるが、緩く束縛された中性子の存在は、この崩壊過程にも著しい影響を及ぼすことがTDDM計算によって明らかになった。つまり中性子の波動関数が広がっているために、安定核と比べ複雑な状態との結合が弱くなるということである。低エネルギー重イオン反応については、酸素の中性子過剰核を入射核とした核融合反応を主に調べた。中性子過剰核は中性子の波動関数が広がっているために、核融合反応が起こりやすくなると期待されたが、大きな効果は見られなかった。これは核融合を起こす前に中性子過剰核が励起されるためだと考えられる。巨大共鳴に関する研究成果は論文にまとめられた。論文はPHYSICS LETTERS Bに受理された。研究成果は日本物理学会や京都大学基礎物理学研究所および理化学研究所で行われた研究会で発表された。
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