多機能性蛋白による糖鎖分解酵素の制御機構とその欠損症の分子病理
Project/Area Number |
05274229
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
桜庭 均 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (60114493)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新本 美智枝 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (20216237)
伊藤 孝司 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (00184656)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 保護蛋白質 / ガラクトシアリドーシス / beta-ガラクトシダーゼ / シアリダーゼ / 酸性カルボキシペプチダーゼ / エステラーゼ / デアミダーゼ / サポシン |
Research Abstract |
ガラクトシアリドーシスというヒトの遺伝病の研究過程で、リソソームの糖鎖分解酵素の制御機構に関連する保護蛋白質の存在が明らかになった。このヒト保護蛋白質を恒常的に発現するCHO細胞株を作製した。この細胞で発現された保護蛋白質は、酸性でカルボキシペプチダーゼ、中性でエステラーゼ及びC末端デアミダーゼ活性を示した。酸性カルボキシペプチダーゼ活性は、単独では熱に対して不安定であったが、サポシン(スフィンゴ脂質活性化蛋白)の添加で安定化された。部分精製した保護蛋白質をガラクトシアリドーシス患者由来の培養線維芽細胞の培養液中に加えると、著明に低下していたbeta-ガラクトシダーゼとシアリダーゼ活性が回復した。保護蛋白質は、細胞内でbeta-ガラクトシダーゼの安定化とシアリダーゼの活性化に働くと同時に、それ自体が、異なる〓条件下で活性を持つ多機能性酵素蛋白質であると結論された。保護蛋白質の生体での局在と機能を調べるため、実験を行った。その結果、血小板が凝集する際、保護蛋白質が放出されること、その酵素活性がガラクトシアリドーシス患者で欠損していることが明らかになった。血小板凝集上清中の殆んどの保護蛋白質は、beta-ガラクトシダーゼと会合しておらず、血液中では単独で生理活性を発揮する可能性が考えられた。さらに、ガラクトシアリドーシス患者の遺伝子解析を行い、保護蛋白質遺伝子上に、アミノ酸置換を伴う5種類の塩基置換とスプライシング異常を惹起する5′-スプライスドナー部位の点変異を発見した。常染色体劣性遺伝をなす本症では、基本的に、これらの遺伝子異常の組み合わせによって、臨床表現型が規定されると考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)