高圧化学的手法を用いた多段階電子移動反応の反応機構も研究
Project/Area Number |
05453042
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 秀夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (70242807)
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Project Period (FY) |
1993 – 1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | 高圧力 / 電子移動 / 電気化学 / 反応機構 |
Research Abstract |
平成5年度には、水溶液中におけるL‐アスコルビン酸の酸化反応機構にについて高圧化学的研究を行い、反応体積に基づく解析から、アスコルビン酸の一段階めの電子移動反応が閉環過程を含む非断熱過程で進行することを明らかにし、Inorg.Chem.に論文として発表した。 平成6年度にはこの成果をさらに発展させ、非水系における反応機構を追及することにより、DMSO(ジメチルスルフォキシド)中におけるL‐アスコルビン酸の酸化過程をジシアノビス(1,10‐フェナントロリン)鉄(III)イオンによる酸化反応の活性化パラメータから解析した。反応の解析には、既に外圏反応におけるパラメータが報告されているカテコールならびにヒドロキノンを参照還元剤として使用することにより、鉄(III)酸化剤の自己交換速度定数ならびに活性化パラメータを得た。さらに、申請者が開発した「実空間ラプラス解析プログラム」を用いた電極表面における不均一系電子交換速度定数の決定をもとに、上記反応の反応機構の研究を行った。 その結果L‐アスコルビン酸の一段階めの酸化反応は、非プロトン性極性溶媒であるDMSO中においては構造変化を伴わない単純な外圏電子移動過程であ進行することが示唆され、ラジカル閉環過程におけるプロトンの重要性が明らかになった。これらの結果は、30^<th>International Conference on Coordination Chemistry(京都)ならびに42^<th>Yamada Conference(名古屋)の2つの国際会議において公表され、高い評価をうけた。また、これらの研究についての報文はJ.Mol.Solutionsに掲載予定である。 さらに本年度には、高圧化学的手法を用いた溶媒交換反応の研究における従来の研究手法によってもたらされる活性化体積の誤差に関する理論的考察のほか、生命化学的にも興味深い銅(II/I)電子交換反応の機構論的研究を行い、それらの成果は近日中にCan.J.Chem.に掲載される予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)