Project/Area Number |
05640611
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
榊原 徹 横浜市立大学, 文理学部, 教授 (20016166)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 保護基 / 立体配座の固定 / Michael反応 / 立体選択性 / 不飽和糖 |
Research Abstract |
本研究では保護基の新しい利用法として糖の4,6位のアセタールに不斉を導入して、これ迄合成例がない^5H_O型のヘキス-2-エノピラノシド誘導体を作り、その反応性を調べることを目的としている。これ迄既に2位に導入したスルホニル基の立体障害を利用することにより、イド型のbeta-アノマーから合成が困難であったR型の4,6-O-ベンジリデン誘導体を40%近い収率で得、これから^5H_Oのヘキス-2-エノピラノシド誘導体の合成・単離に成功している。今回次の様な知見が得られた。 まずalpha-アノマーを用いて同様な方法によりR体が得られるか否かを調べたが残念ながら安全なS体が主生成物となってしまった〔計画(1)〕。^5H_O型と^OH_5型のコンホーマーに対し、いくつかの求核試薬を反応させたところ〔計画(1)〕、(a)両基質に対し試薬はいずれも環の下側からのみ付加した。(b)^OH_5型から得られた付加体はすべて予期された^4C_1型の生成物であったが、^5H_O型からのものは、イド型を除き環の反転がおこった。また基質に関係なくSN2′生成物ではすべて^4H_5型となっていた。(c)^OH_5型の方が^5H_O型よりもかなり反応性が高い。例えばp-トルエンチオールとの反応では前者では、6.5時間で反応が終了するのに対し、後者では8日もかかっている。これらの事実、特に反応性の違いを考慮すれば、どちらの基質でもこれらの反応にたいし安定なコンホーマーと反応活性なコンホーマーは同じであると考えられる。そこで^5H_O型から一旦生成すると期待される^5H_4型のSH2'生成物を得るためにファニル基よりも嵩高いt-ブチル基である4,6-O-ネオペンチリデン誘導体の合成を行なった〔計画(4)〕。^5H_O型のネオペンチリデン誘導体に水素化ホウ素ナトリウムを作用させたところ、^5H_4型のSN2'生成物が得られた。この事実から先の考え方が正しいことが示された。従って、当初考えていた4,6-O-メチレン誘導体を合成する試み〔計画(5)〕を行なう必要がなくなった。また立体配座が固定されていない4,6-ジ-O-アセチル誘導体とp-トルエンチオールの反応では、単離法に問題はあるものの予期したとおり、試薬は下側からのみ付加することも確認している〔計画(2)〕。
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