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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,植生の水辺底質保全機能の評価法を確立するための第一歩として,水流作用下における粘着性・非粘着性土砂ならびに気流作用下における非粘着性土砂の移動限界条件の解明を試みた。 (1)岡部は,軟質シリコン管の植生モデルと均一粒径の硅砂を用いて,開水路の非粘着性底質の移動限界条件と移動機構の解明を試みた。まず,基礎として固定床条件下において,植生モデル周辺の流速分布を計測した結果に基づき,植生モデルの形状抵抗と河床面の摩擦抵抗との分離を行った。ついで,植生の高さを変化させて底質の移動限界条件を探索し,底面摩擦応力に関する限界条件を明らかにするとともに,その定式化を行った。 (2)中野は,合成ゴム系人工芝を用いて作った植生モデルを用いて,カオリナイト泥の開水路粘着性底質の移動限界条件を検討した。まず,詳細な流速分布の計測と理論的考察に基づき,植生流れの抵抗則を定式化した。また,植生まわりの底泥の挙動については,その移動限界掃流力が植生無しの場合の約10倍にまで増加すること,さらには,限界掃流力値が底泥の降状値の1/2乗に比例することなどを明らかにした。 (3)三島は,ビニール製釣り糸で作った海浜植生モデルを用いて,非粘着性軽量細骨材の飛砂としての移動限界条件の解明を試みた。気流については,岡部,中野と同様に植生モデル周辺の流れの流速分布特性を把握するとともに,抵抗分離法を検討した。底質については,主として植生周辺の局所洗掘の特性と洗掘限界条件に着目し,実験結果に基づいてその機構を考察して,有用な知見を得た。
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