Project/Area Number |
05660064
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
蚕糸・昆虫利用学
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 継男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (40107355)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 家蚕 / 腸球菌 / 血清型別 / β溶血株 / Enterococci / E.faecalis / E.faecium / E.casselifluvus |
Research Abstract |
D群連鎖状球菌(Enterococcus,腸球菌)は、多くの昆虫の腸管内に生息し腸内細菌叢を構成する主要な細菌の一員であるとともに、昆中疾病の発現に深く関与する通性病原細菌である。家蚕では消化器病(胃腸病)の起因菌とされ、従来から本疾病の発病様相について数多くの検討がなされてきたが、今日までその感染の成立機序については十分に整理されていない。本研究は腸球菌による家蚕消化器病の感染機序を理解するために、病原学的側面より精査しいくつかの新知見を得た。すなわち蚕児の発育経過に伴って腸管内に生息する腸球菌の経時的変化を明らかにするとともに、分離した92株のEnterococciについてその性状を調べ分類学的位置付けを明確にし感染機序究明の足掛かりを示した。まず消化管内の腸球菌は蚕児の摂食桑量に応じて菌量消長を示し、不摂食の眠期や蛹期、成虫期には棲息しないか僅少の残留を認めることが分かった。また採取した分離株は、形態学的および生理生化学的性状とビルレンス因子より8群に大別され、そのなかで運動性を有し非溶血性で旺盛なプロテアーゼ産生を示す菌株が主要な群を形成していた。またα溶血株やβ溶血株、さらに黄色色素産生株も分布していた。このβ溶血株や黄色色素産生株は昆虫由来株としては、最初の記載であった。E.faecalisやE.faeciumの標準菌株を用いて免疫抗血清を調製し分離菌の血清型別を行ったところ、主要菌群はE.faecalis type1抗血清に凝集したが数株はtype6に凝集した。type1は自然界に広く分布し臨床上でも重要な菌型とされているが、type6は希有な菌型で昆虫特異菌型として「生態型別」できる可能性が得られた。API-STREP 20により分離菌を確認したところ、E.faecalisのほかE.faecium,E.casselifluvus,E.duransなどが同定された。これら蚕児腸管内の腸球菌の性状調査から、腸球菌感染症を解明するいくつかの糸口が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)