新しいDNA結合蛋白質"Nuc"による自己免疫誘導-その分子細胞生物学的解析
Project/Area Number |
05670137
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金井 芳之 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30012785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 靖一 東京理科大学, 薬学部, 教授 (10142449)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ヌクレオバインディン / DNA結合蛋白質 / アポトーシス / 自己免疫 / 抗DNA抗体 |
Research Abstract |
先ずrNuc(組み替えヌクレオバインディン)の大量精製に成功した.rNucはSLE素因マウスのSLE発症促進のみならず,正常マウスにも多種類の自己免疫応答を誘導した.そのためには1回に5μgで週2回の腹腔内注射を5〜10週継続することが必要であることがわかった.この作用機序を解明するために,短期大量投与(500μg)を行って胸腺に対する影響を調べた.その結果rNuc投与によっても胸腺細胞の減少とDNAの切断(apoptosis)が生じることが分かった.胸腺でのDNA切断と平行して血中に160bpのヌクレオソームDNAの遊出が見られたが,脾細胞DNAには変化がなかったことなどから,血中にヌクレオソームDNAは胸腺でのapoptosisに基づくことが分かった.またrNuc投与後のこれらの経時的変化から,rNucの効果は胸腺内apoptosisを誘導することが知られている抗CD3抗体と同程度であることが分かった.一方,lupus syndromeを呈しているMRL/lprマウスの血中免疫複合体から160bpのヌクレオソーマルDNAの検出に初めて成功し,胸腺内または免疫細胞でのapoptosisが自己抗原核クロマチンの起源であることが示唆された.またrNuc投与正常マウスの脾細胞からのrNuc特異的自己反応性T細胞の樹立は,NucがDNA結合蛋白質であることから,抗クロマチン,特にDNAに対する自己免疫応答機序の解明上極めて重要なステップを築き上げた.さらにSLE発症MRL/lprマウスの血中から天然のNucが100〜600μg/mlの範囲で同定されたこと,対照マウスであるMRL/nからは検出されなかったことから,Nucは実験的SLE発症のみならず自然発症SLEの発症因子の一つであることがわかった.
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)