アルコール性肝線維症における伊東細胞のコラゲン分解酵素活性の調節動態
Project/Area Number |
05670492
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中野 博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60093283)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ヒト伊東細胞 / アセトアルデヒド / IV型コラゲン / IV型コラゲナーゼ / TIMP-1 / アルコール / 線維肝 |
Research Abstract |
ヒト伊東細胞(IC)の培養系にアセトアルデヒド(AA)を添加しIV型コラゲン(IVC),IV型コラゲナーゼ(IVCN),TIMP-1の変動を検討した.ICは私の方法にて分離し,5-7代継代した細胞を用いた. 材料・方法 (1)分離IC培養系へのAA添加条件:分離ICを10%牛胎児血清を含むDMEM溶液で5%CO_2の条件下で培養,前定常状態に至った時期に50mug/mlアスコルビン酸を含むDMEM溶液にAAを終濃度0,35,50,90,および175mumo/Lに添加し3日間培養を行なった.その結果検討したAAの濃度ではICの障害性は認められなかったため,175mumol/Lの濃度にAAを添加した群をAA添加群とした. (2)培養上清および細胞層中のIVC,IVCN,TIMP-1の定量:培養上清はトリス緩衝液に透析後,限外濾過法にて1mlに濃縮した.細胞層はラバーポリスマンにて回収,超音波処理,遠心後その上清を用いた.IVCは日本DPC社製7Sコラゲン測定キット,IVCNはヤガイ中央研究所製IVCN測定キット,TIMP-1は富士薬品工業製測定キットを用いて測定した. 成績 (1)IVC:a)上清;AA添加群のIVC濃度は対照の2.9ng/mlに比し2.5ng/mlと低下がみられたが有意ではなかった.b)細胞層;対照の5.3ng/mlに比し添加群では2.5ng/mlと低下がみられた. (2)IVCN:a)対照の蛍光強度15.1に比し添加群では23.0と増加した. (3)TIMP-1:AA添加によるTIMP-1の変動は観察されなかった. 考案・結論 J.LiらはAAの175mumol/L添加は培養ICのI型,総コラゲン生成は増加させると報告している.今回検討した結果では増加は認められなかった.一方、IVCNはAA添加により活性の上昇がみられた。今回の実験系でIVC上昇がみられなかったことについては培養系にlathyrogen添加を行なわなかったことも一因かもしれない。IVCNの上昇はK.S.Henleyらのin vivoの成績を裏付けるものである。今後さらに検討を続けたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)