Research Abstract |
Constant-flow ventilation(CFV)とairway pressure release ventilation(APRV)は、気道内圧を著しく上げることなくガス交換ができることに特徴がある。しかしそれぞれ単独で用いた場合、CO_2排泄の効率はよくない。私達はCFVとAPRVを併用すると、気道内圧を上げることなく適正換気を維持できるのではないかと考えた。本研究の目的は、CFVとAPRVの併用効果を胸郭拘束犬で明らかにすることにある。 [方法]麻酔下で筋弛緩薬を投与した犬6頭の胸部をバンドで締め、拘束による低胸郭コンプライアンス犬を作成した。個々の犬に、IPPV(FiO_2 0.6 ,I/E 1/3,f 15回/min)、CFV(FiO_2 0.6,ガス流量 101/min)、APRV(FiO_2 0.6 ,f 15回/min,ガス流量 101/min,f 15回/min,release time 1秒)、CFV +APRV(FiO_2 0.6 ,ガス流量 101min ,f 15回/min,release time 1秒)の人工換気を無作為にそれぞれ20分づつ施行し、呼吸循環に及ぼす影響を検討した。 [結果]IPPV、CFV、CFV+APRV、APRVの最高気道内圧はそれぞれ、28±8、1±1、14±3、14±4 cmH_2Oで、心拍出量は2.6±0.7、3.6±1.0、2.5±0.8、2.9±1.01/minで、PaO_2は302±51、118±39、299±51、257±52mmHgで、PaCO_2は40±2、109±21、40±4、72±13mHgであった。CFV+APRVでは、IPPVに比べ最高気道内圧を約1/2に保ちながら適正換気が維持できた。 [結語]CFVとAPRVを併用するとIPPVに比べ極めて低い気道内圧で適正換気が維持できることを示した。本研究は、CFVとAPRVの併用換気法が、低コンプラアンスの人工換気手段として有用であることを示唆する。
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