Project/Area Number |
05671564
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
西川 泰央 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40103098)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 視床後外側腹側核 / 視床髄板内核 / 侵害受容ニューロン / モルヒネ投与 / 痛覚抑制 |
Research Abstract |
末梢神経から送られてきた痛みの情報は,脊髄灰白質の侵害受容ニューロンで中継される。脊髄灰白質侵害受容ニューロンの軸索突起は,脊髄の前側索を上行して視床に向かう。この上行路は脳幹で外側系と内側系とに分かれる。外側系痛覚伝導路は痛みの感覚を伝えるものであり,また内側系痛覚伝導路は痛みに伴う情動反応を引き起こすのに関与するものである。ところで,生体には痛覚を発現する系とともに,痛覚情報が大脳に到達するのを妨げる仕組み,すなわち疼痛抑制系があって,両者がともに機能している。疼痛抑制系の作用機序の一つは,痛覚伝導路の中継核での侵害受容情報のシナプス伝達を抑制するものであり,この疼痛抑制作用には内因性モルヒネ様物質の関与が考えられる。そこで,ウレタン・クロラローズで麻酔したネコを用いて,外側系および内側系の痛覚伝導路の視床中継核である腹側基底核群(後外側腹側核)および髄板内核群(外側中心核および束傍核)から単一侵害受容ニューロンを検出して視床侵害受容ニューロン活動に及ぼすモルヒネ投与の影響について調べたところ,外側系痛覚伝導路の中継核である後外側腹側核のニューロンの大内蔵神経刺激,すなわち交感神経性高閾値求心性線維刺激に対する長潜時の反応は抑制されたが,脊髄後角が関与しない頸髄前側索刺激に対する短潜時の反応は抑制されなかった。一方、内側系痛覚伝導路の中継核である外側中心核および束傍核の侵害受容ニューロンの大内臓神経,大後頭神経あるいは犬歯歯髄への刺激に対する長潜時の反応および内側系痛覚伝導路の中継部位である中脳網様体刺激に対する短潜時の反応がともに,モルヒネによって抑制された。以上の成績から,モルヒネは,腹側基底核群に投射する外側系では,主として脊髄における痛覚伝達を抑制するのに対して,髄板内核に投射する内側系では,髄板内核での痛覚伝達を抑制する可能性のあることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)