橋排尿中枢と膀胱-膀胱脊髄反射経路の結合様式の解明
Project/Area Number |
05680727
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 光美 東京医科大学, 医学部, 講師 (10170698)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 排尿中枢 / 橋被蓋 / 仙髄中間外側核 / 副交感神経節前ニューロン / 細胞内記録 |
Research Abstract |
1。ガラス封入カーボン電極で橋吻側を系統的に微小電気刺激(50発,200Hz)した。橋被蓋内側から低閾値で潜時約200-300msの膀胱収縮が誘発された。この部位の尾側で脳幹を切断後、さらに膀胱収縮誘発部位を検索した結果、外側約3mmのレベルで橋被蓋尾側から閂の腹側に向かって限局した収縮誘発部位が存在することが見出され、橋排尿中枢の最終出力細胞の下行路であることが示唆された。また上記の部位の刺激で、潜時の早い脊髄背面電位(3.5-3.9ms;推定伝導速度80-90m/s)が仙髄で記録された。尾髄では記録されず、仙髄レベルに投射していることが電気生理学的に確かめられた。非常に速い伝導速度から考えてこの直接経路はノルアドレナリン系の細胞ではないことを示唆する。2。橋被蓋内側を電気刺激し、同側仙髄中間外側核節前細胞から細胞内記録を行った。単発刺激は効果がないか弱く、2-3発以上の刺激で著明な興奮性シナプス後電位の促通が見られた(潜時9-31ms)。この潜時に対応する脊髄背面電位は見られないことと合わせて、橋排尿中枢から単シナプス性入力が無いことを示唆する。この結果は、解剖学的に投射があることは必ずしもその部位の細胞に直接結合していることを示さず、電気生理学的研究が不可欠であることを意味する。仙髄中間外側核の背側に、橋被蓋内側の刺激により5ms以内の潜時で発火する細胞が見られ、橋排尿中枢からの中継細胞の可能性が考えられた。今後検討が必要と思われる。3。骨盤神経膀胱枝の刺激により、仙髄中間外側核節前細胞に著明な抑制性シナプス後電位(IPSP)が誘発されることを確認した。このIPSPに先行して橋被蓋内側を条件刺激したところIPSPの抑圧が見られた。抑圧効果は橋被蓋内側と骨盤神経の刺激間隔が短いほど大きかった。この結果より、橋排尿中枢は脊髄性の相反性抑制入力を抑圧するという、排尿の遂行において合目的な神経制御をしていることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
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