マイクロメカニクスにおける水分子の吸着と表面相互作用
Project/Area Number |
05750146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田川 雅人 大阪大学, 工学部, 助手 (10216806)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | マイクロマシン / H_2O / トライボロジー / 吸着 / LIGA / Ni |
Research Abstract |
Niを材料とするLIGAプロセスは高いアスペクト比を持つ微小機械要素を作製できることから、大気中のみならず人体内などの極限環境下でも使用されるマイクロメカニクス作製技術として注目されている。マイクロメカニクス表面にはほとんどすべての動作環境においてH_2O分子が吸着すると考えられるが、これがマイクロメカニクスの運動性にどのような影響を与えるかは、マイクロメカニクスを実用化する上で極めて重要であるにもかかわらず現在まで全く知見が得られていない。本研究では高湿度環境下でのマイコロメカニクスの動作特性を解析するために、QCM法を用いた吸着等温線測定およびレーザーエリプソメトリーで水分子の吸着量をモニターし、Ni深針との相互作用力を測定することにより、H_20分子が存在する系でのマイクロメカニクス表面で生じる現象を解明することを目的とした。本年度の研究実施計画に基づき、まず試料表面の光学定数やH_2O膜厚を同時測定するためのレーザーエリプソメーターを作製し、現有の実験装置に取り付けるための改造を行なった。直線偏光He-Neレーザー発振管ならびに電源(129,780)を備品として、またコンピューターの計算能力を向上させるためのCyrix486倍速CPUボード、エリプソメーターの構成要素である検光子およびその駆動系、光学部品、検出素子、真空用窓、I/Oボード等(729,440)を消耗品として購入した。光学研磨を行なったAu電極の水晶振電動子にH_2O分子を吸着させ、その吸着量をQCM法、ならびにエリプソメーターでモニターしながらTipの凝着特性を調べた。その結果、Tip-試料表面間の凝着にはヘルツの接触面積と吸着水分子層のメカニカスによる効果の両方を考慮する必要があり、吸着水分子層が1〜数分子層の領域で最も機械的運動特性が影響を受けるという結果が得られた。またエリプソメーターで測定した光学定数△はQCM法によって求められた水分子吸着量に対応した変化を示し、水分子吸着層厚を測定する上でのエリプソメトリの有効性が示された。エ プソメトリはQCM法が適用できない温度領域やバルク試料にも適応可能であることから、QCM法と併用することによって幅広い試料表面での水分子吸着を解析することが可能であると思われ、特に理想表面に近い原子オーダーで平坦な表面の解析や凝着モデルの構築に力を発揮するものと期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)