テルライト系ガラスの構造および電子状態と物性との相関
Project/Area Number |
05750614
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
小和田 善之 兵庫教育大学, 学校教育学部, 講師 (90205542)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | テルライト系ガラス / ガラス構造 / 融液構造 / 電子状態 / 高温ラマンスペクトル |
Research Abstract |
テルライト系ガラスは、高屈折率、高熱膨脹率、低融点などの特性を示すことから、近年様々な分野での応用が期待されているニューガラスのひとつである。このガラスは対称性の低い構造単位であるTeO_4三方両錐構造や、TeO_3三方錐構造からなる特異なガラス構造を持つと言われており、その構造の詳細についても興味がもたれている。本研究では高温ラマンスペクトルを用いることにより、種々の第二成分を含むテルライト系ガラスの結晶化及び融解時の構造変化について検討した。また、DV-X_<alpha>クラスター法によりテルライト系ガラス中の各種構造単位の電子状態を検討した。その結果、<LiO>___2,<NaO>___2,<KO>___2,WO_3などを第二成分として含む系において、加熱時にガラス転移温度以下の温度域において、ガラス中の非架橋酸素を含むTeO_3三方錐構造の存在比が増加するという一般的なガラスでは観測されない特異な構造変化が生じることがわかった。また、結晶化に伴い、ラマンスペクトルに見られるピークの半値幅は大きく減少し、この結晶が融解する際には、非架橋酸素を含むTeO_3三方錐構造の存在比が室温のガラスに比べ非常に大きくなることがわかった。通常のガラス生成系では、室温におけるガラスと対応する融液の構造はよく類似すると考えられるがテルライト系では融液とガラスの構造が異なることがわかった。また、DV-X_<alpha>クラスター法による計算の結果、テルライト系ガラスを構成する構造単位であると考えられているTeO_4三方両錐構造では、Teとの結合距離の長いアキシャル位置(O_<ax>)と距離の短いエクアトリアル位置(O_<eq>)の2種類の酸素が存在するが、Te-O_<ax>はTe-O_<eq>に比べ結合強度を示す結合次数が極端に小さく、テルライト系ガラスがO_<eq>-Te-O_<eq>からなる三角形の分子状構造を単位とするいわゆる分子結晶のような構造をとることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)