ゼオライトの分子ふるい過程のダイナミックスに関する分子動力学的研究
Project/Area Number |
05750695
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
触媒・化学プロセス
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保 百司 東北大学, 工学部, 助手 (90241538)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ゼオライト / 分子ふるい / 分子動力学法 / コンピュータグラフィックス / 空気分離 / 二酸化炭素高温分離 |
Research Abstract |
ゼオライトのミクロ細孔がもたらす分子ふるい効果および触媒反応における形状選択性は、実用的にもまた基礎的にも最も興味深い課題の一つである。しかし、その分子ふるい機構の詳細はいまだ解明されていない。そこで、本研究では分子動力学法(MD)法とコンピュータグラフィックスを活用することにより、ゼオライトのミクロ細孔構造がもたらす分子ふるい効果の機構を詳細に解明した。 空気分離としてよく知られるNaA型ゼオライトのN_2とO_2の分子ふるい過程について検討を行った。高温においてはNaA型ゼオライト中でN_2とO_2は分離しなかったが、低温ではN_2とO_2が分離され、MD法によりNaA型ゼオライトの空気分離を再現できることが明らかになった。さらに、NaA型ゼオライト中の交換イオンのモ-ビリティーがN_2とO_2の分離に大きな役割を果していることも明らかとなった。 地球温暖化防止策としての二酸化炭素高温分離膜の開発を目的とし、A型ゼオライト細孔中におけるCO_2とN_2の拡散・分離過程について検討を行った。その結果、A型ゼオライトの交換イオン変化させることによってCO_2とN_2の拡散・分離過程は大きく異なり、さらに適切な交換イオンを選択することにより、高温においてもCO_2とN_2が効率よく分離できることが明らかになった。 ZSM-5型シリカライトは、疎水性を持つゼオライトであり、この性質を利用した有機分子と水分子の分離が期待される。本研究ではMD法により、水分子はZSM-5の細孔内に進入しにくいのに対し、メタノールは容易に細孔内に進入する過程を再現することにも成功した。このようにMD法はゼオライトの分子ふるい機構の原子レベルでの解明に非常に有効であり、今後さらに多様な課題への適用が期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)