Project/Area Number |
05750795
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 範久 千葉大学, 工学部, 助手 (50195799)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 非水溶媒 / ポリアニリン / 電解重合 / 電気伝導度 / 分子量 / モルフォロジー |
Research Abstract |
1.ポリアニリン膜の電解重合温度が電気伝導度に及ぼす影響 酸を全く含まない1、2-ジクロロエタンを溶媒として用い、低温(-25℃)でアニリンの電解重合を行った。櫛型電極上に得られた高分子膜の電気伝導度は、室温(+25℃)で得られた膜に比べて約二桁高いことが確認された。 2.ポリアニリン膜の電解重合温度が高分子鎖長や一次構造に及ぼす影響 高分子膜の電気伝導度には、鎖内と鎖間の導電性が相互に作用している。そこで、得られた高分子の鎖内と導電性に影響すると考えられる高分子鎖長や結合規制性に関する検討を行った。GPCを用いた分子量測定から、重合温度の低下に伴い得られた高分子の分子量も減少する傾向が認められた。この分子量の減少は鎖内導電性を減少させる大きな要因となることがある。しかしながら、構造解析の結果,室温で得られた高分子にはアニリンの1、3-位結合に起因する赤外吸収ピークが認められ、導電性を低下させる原因となっていることが示唆された。従って、低温で重合した方が、得られた高分子の分子量は低いものの良好な構造規則性を持つため、導電性の向上に寄与していることが明らかとなった。 3.ポリアニリン膜の電解重合温度が高次構造に及ぼす影響 3.この高分子の鎖間導電性に影響すると考えられるモルフォロジーの検討を行った。低温で得られた高分子膜ほど、より多くの偏光部分が認められ、高分子鎖がより規則正しく配列していることが示唆された。また、走査型電子顕微鏡を用いて高分子膜の断面部分を観察した結果、低温のものほど高い充填密度と規則的な高分子鎖配列を有することが明らかとなった。すなわち、低温重合で得られるポリアニリン膜ほど高い電気伝導度を与えるという上述の傾向は、低温重合により得られる高い充填密度と高分子鎖構造および配列の規則性に起因することが明らかとなった。
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