メダカ胚細胞CIチャネルのシングルチャネル解析と初期胚細胞分化機序
Project/Area Number |
05770028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
重本 尚 神戸大学, 医学部, 助手 (40178869)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 陰イオンチャネル / メダカ / 胞胚期 / 深部細胞 / midblastula transition / Ca依存性 / DIDS / シングルチャネル記録 |
Research Abstract |
メダカ胚胞胚期初期までは細胞分裂は同期しており、存在するmRNAはすべて卵母細胞由来である。胞胚期中期より接合子由来のmRNAの転写が始まり、細胞分裂は非同期となる。これはmidblastula transitionと呼ばれている。申請者は従来、ホールセル電圧固定法による電気記録で胞胚期初期にはカルシウム(Ca)依存性のクロライド(Cl)電流が存在し、胞胚期後期には半数の細胞においてCa依存せず、膜電位依存性の高いCl電流が出現することを明らかにした。本研究ではシングルチャネル記録を行い、以下の結果を得た。1.胞胚期初期のClチャネル(1)単位伝導度は非常に小さく6pSであり、バーストが観察された。膜電位依存性があり、1分以上の脱分極により著明に開確率が増加した。セルアタッチ記録では平均開時間は5msecであった。インサイド-アウト記録ではチャネルの開確率は細胞内液のCa濃度に依存したが、平均開時間は0.5msecと著明に減少した。この減少は細胞内のなんらかの因子がインサイド-アウトにすることにより洗い流される可能性を検討したが、ATP,cyclicAMP,PKAのcatalitic subunitによっては回復は観察されなかった。(2)生理的条件でのCaイオンの効果を検討するためにセルアタッチ記録においてCaイオノフォアであるイオノマイシンを投与した。この場合の開確率の増加においては平均開時間は変化せず、バーストの持続時間の延長によると結論された。(3)セルアタッチ記録でピペット内のDIDS濃度が500muMの場合にはチャネルの開口は全く観察されなかった。100muMの場合には、チャネルの平均開時間は1.6msecと著明に減少したためDIDSはopen channel blockerであり、平均開時間を短縮することにより抑制すると結論された。2.胞胚期後期のClチャネルの単位伝導度は約4pSであり、膜電位依存性が強く活性化には脱分極が必要であり、インサイド-アウト記録ではカルシウム非存在下でもチャネルの開口が観察された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)