イヌの迷走神経背側核刺激を用いた胆道系支配迷走神経の末梢機序の研究
Project/Area Number |
05770036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
古川 直裕 川崎医科大学, 医学部, 助手 (40131643)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | nitoric oxide / pirenzepine / 胆嚢 / 4-DAMP / 迷走神経 / Oddi括約部 / ムスカリン受容体 |
Research Abstract |
ケタミン・クロラロース麻酔の頸髄切断イヌを用い、迷走神経背側核の特定部位を刺激して、迷走神経を介する胆嚢とOddi括約部の収縮反応を誘発し、それらの反応に対する4種のムスカリン受容体遮断薬(pirenzepine,AF-DX116,4-DAMP,atropine)の効果を検討した。 いずれの遮断薬においても、収縮反応に対する拮抗作用は胆嚢においてより著明であった。また、4種の遮断薬の拮抗作用の強さの順位は、胆嚢とOddi括約部で類似していたが、収縮反応を制御するpirenzepine の濃度はOddi括約部において著明に高かった。すなわち、拮抗作用の強さは胆嚢でatropine≒4-DAMP>pirenzepine>>AF-DX 116であり、Oddi括約部ではatropine≒4-DAMP>>pirenzepine≧AF-DX 116であった。 これらの結果から、胆嚢、Oddi括約部の迷走神経を介する収縮反応にはM_3受容体が関与しているとともに、胆嚢の収縮反応に関してはM_1受容体も関与していることが示された。 また、これらのムスカリン受容体遮断薬の多量投与後に、胆嚢の収縮反応は完全に消失したが、Oddi括約部の収縮反応はわずかに残存した。この非コリン性の収縮は、NO合成阻害剤であるnitro-L-arginineの投与により容量依存的に著明に増大した。この増強効果は、L-arginineで拮抗されたが、D-arginineでは拮抗されなかった。また、この非コリン性の収縮反応はhexamethoniumの投与により完全に消失した。 これらの結果から、Oddi括約部の運動がNOを介して持続的に抑制されていること、また、そのNO抑制の除去により、迷走神経を介して著明な非コリン性の収縮反応がOddi括約部に発現することが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)