Project/Area Number |
05770107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
菅野 仁 財団法人冲中記念成人病研究所, 専任研究員 (70221207)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ピルビン酸キナーゼ / 溶血性貧血 / 劣性遺伝病 / 調節遺伝子 / 赤血球 / 組織特異的発現 / アイソザイム / 単一アミノ酸置換 |
Research Abstract |
ヒトピルビン酸キナーゼ(PK)の赤血球(R)型アイソザイムは成熟赤血球でのみ発現し、その活性の低下は遺伝子溶血性貧血を発症する。今年度私たちは新たに日本人、中国人、米国人(Amish)ホモ接合型PK異常症4家系について、遺伝子異常を同定した。その遺伝子変異はいずれも単一アミノ酸置換を引き起こし、PKの基質との結合あるいはアロステリック活性化を障害するものであった。最近米国の研究者から遺伝学的には異常PK遺伝子の複合ヘテロ接合体と考えられるが、片方のPKアリルにしか構造変異を見いだせない症例が報告されたが、これらの症例は昨年度私たちが報告した重症型PK異常症症例と同様にPK遺伝子の未知の調節領域の遺伝子異常の可能性が考えられている。そこで私たちは赤血球にのみ発現するR型アイソザイムの細胞特異性・分化段階特異性を決定するメカニズムを明らかにするため、ヒト遺伝子DNAライブラリーより単離したL型PK遺伝子クローンについて、今年度そのほぼ全長の塩基配列を決定し、ラットPK遺伝子の塩基配列と比較検討を行った。イントロン3、4、8そして3′領域に進化上良く保存されている遺伝子配列が同定され、特に3′領域に認められた約200塩基対の相同性の高い領域には転写因子AP-1の結合配列が存在することが明らかになった。私たちはこの配列と赤芽球特異的因子、NF-E2との結合性をin vitroで検討し、弱いながらも結合性があることを確認した。この配列がin vivoでNF-E2を介するR型PKの細胞・分化段階特異性の調節領域として働いているのか、あるいは他のAP-1ファミリー転写因子の標的配列となっているのか、in vivoの系で検討中である。
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