Project/Area Number |
05770482
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
海老原 良典 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30194020)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 心筋虚血 / 再灌流傷害 / イコサペンタエン酸(EPA) / カルシウム |
Research Abstract |
[方法]150〜200g(雄)のSDラットを魚粉を含まない飼料で4週間飼育した(対照群:C群)。EPA群は同じ飼料に加えEPAを500mg/kg/日投与し同じく4週間飼育した。腹腔麻酔にて心臓を素早く摘出し、pH7.4のKrebs-Henseleit液でLangendorff手技により灌流した後、25分間完全虚血と30分間の再灌流を行なった。両群の再灌流時不整脈発生、心機能回復と再灌流30分での心筋ATP,CP,乳酸含量を測定した。心筋Ca^<2+>摂取量は再灌流時^<45>Ca^<2+>を灌流液に混じ、心筋抽出液と灌流液の^<45>Ca^<2+>放射活性により測定した。また心筋にFolch抽出液を加えガスクロマトグラフィーにて脂肪酸分析を施行した。[結果]C群とEPA群でHS再灌流時心室細動発生に於て差はなかった。心機能はEPA群で左室拡張末期圧の回復改善がみられた(C:21.8±4.4、EPA:11.8±1.9mmHg P<0.05)。しかし左室収縮期圧、+dp/dt、-dp/dtの虚血前値に対する回復率(EPA:86.8±4.2、85.0±5.5、85.4±4.6%)はC群(85.3±6.4、69.6±9.5、74.8±9.4%)と同じであった。心筋エネルギー代謝には両群間で差を認めなかった。心筋Ca^<2+>摂取量は再灌流後30分ではEPA群で低値であった(C:2.95±1.07、EPA:1.94±0.71mu mol/gdw p<0.05)。EPA群ではEPAの総脂肪酸含有量に対する比率の上昇を認めた(C:1.6%、EPA:8.3% p<0.05)[総括]ラットをEPAにて飼育し心筋細胞膜の脂肪酸組成を変えることにより、虚血後再灌流による心機能傷害を改善した。これは心筋エネルギー代謝と対応せず心筋Ca^<2+>過剰の軽減と対応した。しかし再灌流後不整脈発生には影響を及ぼさなかった。
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