Project/Area Number |
05770497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
多賀谷 昌史 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (40248133)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 虚血性脳血管障害 / 砂ネズミ / 海馬 / 選択的神経細胞死 / 分子組織化学 / c-src遺伝子 / シナプトフィシン |
Research Abstract |
神経細胞の選択的脆弱性メカニズムの解明は虚血性脳血管障害の病態理解に非常に重要と考えられる。本研究では砂ネズミ一過性前脳虚血モデルを用い、海馬CAI選択的神経細胞死における前シナプス側調節因子としてのc-srcの可能性を遺伝子・蛋白質レベルで検討することを目的とした。 1)c-src遺伝子産物であるpp60^<c-sro>に対する抗体を用いた免疫組織化学的検討により、海馬におけるpp60^<c-sro>の分布並びに一過性前脳虚血後の経時的変動を明らかとした。pp60^<c-sro>は細胞体・樹状特記を取り囲むようにシナプス終末部に顆粒状に免疫陽性反応として認められ、前シナプス側での局性が示された。5分前脳虚血負荷後、1日で海馬CAI領域のstratum radiatumで免疫反応が強く見られるようになった。3日後には更に顆粒状に反応増強が認められるようになり、7日後にはコントロールの状態に復していた。 2)シナプス小胞の構成蛋白質であるシナプトフィシンをマーカーとした免疫組織化学的検討では、海馬においてシナプストフィシンの変動は認められなかった。 3)マウスc-src mRNAに対する[^<35>S]標識オリゴヌクレオチドをプローブとして用いたin situ hybrididization histochemistryによる検討では、海馬錐体細胞層及び歯状回顆粒細胞層では前虚血による変化は見られず、嗅内野で一過性にハイブリダイゼーションシグナルの増強が認められ、嗅内野におけるc-src蛋白産生能の亢進が示された。 以上より、後シナプス側の障害と考えられている海馬CAI選択的神経細胞死に、c-srcは前シナプス側の調節因子として関わっていることが示唆された。
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