Cine-MRIを用いた食道癌の大動脈浸潤の診断率向上の試み
Project/Area Number |
05770706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
河原 郁夫 久留米大学, 医学部, 助手 (10195125)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1993: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | esophageal cancer / cine-MRI / low intensity stripe |
Research Abstract |
(目的)従来は食道癌の大動脈浸潤の診断はCT,MRIの横断像にて腫瘍と大動脈の接触角度によって判定していたが過大評価の傾向があった。今回、我々は心電図同期Cine-MRIを用いて食道癌の大動脈への浸潤の診断が向上するかの検討を通常のMRI(以下conventional MRI)と比較して行った。(対象と方法)対象は術前にconventional MRIが施行された食道癌75例でこのうち40例にcine-MRIを施行した。使用装置は、超電導型MRI SMT-50(0.5T)を用いconventional MRIは心電図同期T1強調像、STIR法の横断像、Cine-MRIはGradient Echo(STAGE)法で腫瘍と大動脈を結ぶ斜位矢状断にて撮像した。cine-MRIによる判定基準をA_2以下は心拡張早期に腫瘍と大動脈の間にlow intensity stripe(以下LIS)を認めるもの、A_3は同部にLISを認めないものとし、判定が困難な場合はcine modeにて観察し腫瘍と大動脈の動き(motion gap)の有無を加味して判定した。なお、LISとは、cine-MRIにおいて腫瘍と大動脈の間に心拡張早期に認められる、ある程度幅をもった低信号域と定義した。(結果)conventional MRIでは正診率は84%でPPVは42%と過大評価を示す傾向にあった。これに対してcine-MRIでは正診率は84%でPPVは42%と過大評価を示す傾向にあった。これに対してcine-MRIでは正診率は93%と高い診断率が得られPPVも67%であった。(考察および展望)今回、cine-MRIの判定基準に用いたLISについては、その本体は現在のところ不明であるが血管壁および周囲結合織などが、心拡張期と収縮期の大動脈径の差により、腫瘍との間に間隙として一過性に生じている可能性がある(motion gap)。一方、発生原因の一つとしてflow displacement artifactなどの速度・加速度等の影響も考えられるがこのLISの本体のさらなる解明のためには、位相軸やsequenceなどを変化させての種々の検討を行う必要が残されている。発生原因の機序にかかわらずcine-MRIによる大動脈浸潤の判定は非常に有用であり今後も臨床応用していく予定である。
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Report
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Research Products
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