胆道閉塞における肝内大型胆管付属腺の病理形態学的変化に関する研究
Project/Area Number |
05770914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石田 文生 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (00232314)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 肝内胆管 / 胆管付属腺 / 胆道閉塞 |
Research Abstract |
本研究では胆道閉塞ラットを用い、(1)胆道閉塞時にみられる付属腺の経時的病態変化を観察する。(2)さらに胆管鋳型樹脂標本を作製して実体顕微鏡と走査電顕で観察することにより各時期の付属腺の立体構造変化をとらえる。以上2つを解明して胆道閉塞疾患における胆管付属腺の病態的意義を明確にすることを目的とした。実験モデルとして、正常ラット(A群)、1週間の胆道閉塞ラット(B群)、3週間の胆道閉塞ラット(C群)、6ヶ月の胆道閉塞ラット(D群)を作製した。各群のラットを屠殺し、総肝管から3-4次分枝までの肝内胆管を横断するホルマリン固定標本を作製した。この薄切切片をHE染色、各種の粘液染色にて観察した。一方、屠殺したラットの摘出肝を用い、総胆管より熱硬化性樹脂(MERCOX樹脂,Methyl methacrylate monomer,n-butyl methacrylateの3種混合)を注入、重合させた。肝組織を除去し完成された鋳型樹脂標本を実体顕微鏡および走査型電子顕微鏡で観察した。 【結果】ラットの肝内胆管付属腺は胆道閉塞1週目(B群)ですでに増生がみられ3週目(C群)でさらに増加していた。これを鋳型樹脂標本で観察すると、高さ29.4±11mumの突出物が付属腺に相当してみられ、胆道閉塞ラットではその数の増加と延長、分岐として観察された。胆道閉塞6ヶ月目(D群)では胆管内に泥状胆石の形成がみられたが、付属腺増生の程度はC群と著変なかった。組織学的検索では増生した付属腺細胞質に正常付属腺ではみられないPAS,Alucian blue共に陽性の粘液の存在が示された。これは付属腺の増生が、量的な増加のみならず細胞の機能的変化を伴っていることを示唆すると思われた。 【今後の展開】これらの付属腺の増生、変化が腫瘍性の変化を伴うか否かを検討する為に、増生した付属腺細胞のPCNA染色、ras遺伝子の変異の存在などにつき検索を進めたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)