Project/Area Number |
05771226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 節 東北大学, 医学部, 助手 (20240666)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 卵胞成熟 / アポトーシス / 黄体 |
Research Abstract |
種々の疾患のため摘出を余儀なくされ、月経周期が正確に判明しているヒト卵巣37例(27〜49歳)を用いて、アポトーシスの指標となるDNA断片を検出し得るTUNEL、及びアポトーシス関連抗原のLeと、さらに加えて細胞増殖関連抗原のKi67、並びにPCNAを連続切片上で免疫組織学的に検出し、卵胞構成細胞のcell turnoverを性周期と関連させて検討した。その結果、細胞増殖マーカーであるPCNAとKi67の陽性細胞数は同一検体でも必ずしも一致せず、卵胞期のPCNA陽性細胞は、顆粒膜・莱膜細胞ともに、排卵しない非優位卵胞よりもアロマターゼ陽性の顆粒膜細胞を有し排卵に向かうと考えられる優位卵胞において顕著であったのに対し、Ki67では両者における発現には有意差を認めなかった。PCNAは、over expressionされる傾向があるという報告を考慮すると、優位卵胞と非優位卵胞の増殖能に差はなく、エストロゲンなどの局所因子が、細胞の増殖だけでは説明しきれない卵の成熟を促している可能性がある。また、黄体期の非優位卵胞の顆粒膜・莱膜細胞において、PCNA、Ki67陽性率に変化はなく、排卵しない卵胞の増殖能は、黄体期においても低下していないことが示唆された。アポトーシスに関連するTUNELの検討では、DNAのfragmentaionはごく小数の細胞に認められるのみであり、ヒト卵巣の卵胞閉鎖にアポトーシスが関与する証拠はられなかった。しかし、機能を終えて間もない黄体では、PCNA、Ki67の陽性率の低下とTUNELの陽性率の増加が認められ、黄体の退縮過程に細胞増殖の停止とアポトーシスが関与することが示唆された。また、消化管などと異なり、卵巣ではLeの発現は、全周期を通じて認められなかった。
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