子宮体癌細胞の増殖、転移に及ぼすモノクローナル抗体MSN-1認識抗原発現の影響
Project/Area Number |
05771278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐久間 雄一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30235212)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 複合糖質 / 発現異常 / 糖転移酵素 / 生物機能 / モノクローナル抗体 / 子宮体癌 |
Research Abstract |
1.モノクローナル抗体MSN-1認識抗原の有無による細胞の分別:高分子型子宮体癌由来培養細胞株SNG-IIを、ヤギ抗マウス抗体付着マイクロセレクターを用い、体癌に特異的なフコシル化糖鎖であるMSN-1認識抗原(主としてLewis^b型糖鎖)を発現している細胞(SNG-S)と発現していない細胞(SNG-W)に分別した。両者のMSN-1認識抗原発現量に大きな差のある事を免疫細胞化学染色及びフローサイトメトリーにて確認した。 2.MSN-1認識抗原の発現機序の解明:SNG-SとSNG-Wにおいて、フコシル化糖鎖の合成に必要と考えられるalpha1-2、alpha1-3、alpha1-4フコース転移酵素(FT)活性を測定した。その結果、alpha1-2、alpha1-3FT活性は両者に差が無いのに対し、alpha1-4FT活性はSNG-Sで有意に高かった。この事から、MSN-1認識抗原の発現に、alpha1-4FT活性の増加が強く関与する事が判明した。 3.分別細胞の形態学的特性の検討:SNG-SとSNG-Wではその細胞形態に明らかな差が見られた。又、ヌードマウス皮下移植腫瘍において、両者の組織分化度に差を認めた。すなわち、SNG-SでSNG-Wに比べより分化傾向を認め、MSN-1認識抗原が細胞形態や分化度に何らかの関連を有する事が示唆された。 4.分別細胞の細胞生物学的特性の検討:(1)組織接着能ヒト及びヌードマウス臓器のAMeX包埋切片に対するin situ adhesion assayにて、SNG-WはSNG-Sに比べ5〜10倍の高い組織接着能を示した。(2)異種移植、転移能ヌードマウス皮下への異種移植にて、SNG-WはSNG-Sに比べ高い生着率を示した。又、尾静注モデル及び子宮への正所性移植モデルにて、SNG-Wの方がより高い遠隔転移能を有する事が判明した。すなわち、MSN-1認識抗原の合成阻害を生じている体癌細胞において、組織接着や転移と密接な関連を有する他の因子が発現している事が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)